サミズダート

素朴な一市民「異邦人」の政治経済雑感。兼備忘録ときどき日記。

「改憲」について知る。

こんばんは、異邦人です。初めての記事を書いてから6時間ほどが経ちましたが、経過が無性に気になり「はてな」のアクセス解析を見ましたところ、何と既に2000名以上の方にご訪問頂き、29名の方々が早速読者になって下さいました。本当にありがとうございます。

 

まだまだ不慣れな作業で手探り状態ではありますが、この記事からさっそく当ブログのメインテーマを扱っていきたいと思います。まずは、タイトルにもあるように「改憲」についてですね。

 

…とは言うものの、いきなり突っ込んだ話題から始めても取っつきにくい分野ではありますので、まずは今の安倍晋三政権が目指す「改憲」について、私が如何にして知識を得たかという点について御紹介させていただきます。

 

私も、最初から自民党改憲案について今のような危機感を抱いていた訳ではありません。ほんの数年前までは、恐らく大多数の方がそうであるように自民党憲法9条を変え、自衛隊を明記したいだけだと思っていました。しかし、実際に連中がこさえていたのは「人権保障の範囲を国家の匙加減一つで簡単に変えられる」という、権利保障にあつい現行憲法とは別物と言っても良いぐらい、立憲民主主義を正面から否定するような常軌を逸した代物でした。

 

実際に、政権交代直前の2012年に発表された自民党憲法改正草案には、その13条において「公益及び公の秩序」という、いわゆる社会秩序と呼ばれる類の抽象的尺度によって人権が制限出来る旨が明記されており、これは「個々人の人権が衝突した際に互いの人権を調整する」という、近代の立憲的憲法の大前提である個人主義に立脚した「公共の福祉」概念とは全く似て非なるものです。その個人主義も、改憲案からはガッツリ削除されているので自民党が何を考えているかは明白ですね。

 

例えるなら、土地の区画がキッチリ分けられていて所有者が行使できる自由の範囲が明確なのが現行憲法で、他人の気まぐれで常に自分の土地が侵食される危険に脅かされるのが自民党改憲案という感じになると思います。危なっかしいですよね?でも、その事実に多くの人々が気付いていないというのが現実だと思います。

 

しかし、実際に憲法を変えようとしている自民党は本気ですから、例え主権者である我々に関心がなかろうと待ってはくれません。憲法は言うまでもなく市民のものですが、自民党にはそんな考えはないと言っても差し支えありません。ですから、まずは相手の考えを知って適確に批判していく必要があります。その為に一番手っ取り早い方法は、やはり「本」を読むことです。

 

とは言うものの、いきなり憲法学者の小難しい解説が載ったものから読み始めては心が折れてしまいますし、私も初手でそんな無謀な真似はしていません。そんな私が改憲案に本格的な危機感を持つキッカケとなったのは、弁護士の伊藤真さんが書かれている「赤ペンチェック 自民党憲法改正草案」です。伊藤さん自身が法律系の資格試験を専門とする予備校で塾長をしているだけあって、初学者にも非常に分かりやすく書かれていてオススメです。

 

増補版 赤ペンチェック 自民党憲法改正草案

ちなみに、この本は以前にもツイッターでも紹介しておりまして、フォロワーさんも「分かりやすい」と仰っておられました。この本の冒頭では、近代民主主義国家において最も重要な概念であり、立憲民主党が誕生した際にも話題となった「立憲主義」について詳しく書かれており、無駄なく憲法の重要性を知ることが出来ます。何せ、きちんと「憲法とは何ぞや」を理解していなければ、自民党改憲案の巧妙な罠に引っ掛かってしまいますし問題点も把握できませんからね。

 

しかし、我々がいくら正攻法で知識を積み重ねていこうとも、自民党は数の力を笠に着た半ば暴力的ともいえる国会運営、議事進行で議会制民主主義を嘲弄し続けております。なら、こちらも手段を選ぶ必要は無いじゃないかという考えを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、それは自民党と同じく議会制民主主義を否定するという意味です。そんな相手の土俵に立ってはいけない以上は理論武装するしかありません。ですから、誠に理不尽で不条理ながら粘り強さが求められるのです。

 

…さて、何だかんだ言ってダラダラと長くなってしまいましたが、睡魔も襲ってきましたので今回はここまでにしておきます。このように、最初は自民党改憲案の問題点について簡単に紹介しつつ、自民党改憲案の本質を「知る」方法を私なりに解説していこうかと思いますので、しばらくの間お付き合い頂けると幸いです。

 

では、おやすみなさい。